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医学:脳のジストログリカンの欠失によって、先天性筋ジストロフィーのさまざまな症状が再現できる

Nature 418, 6896 doi: 10.1038/nature00838

福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)、筋-眼-脳病(MEB病)、ウォーカー・ワールブルグ症候群は、類似した脳の発生異常をともなう先天性筋ジストロフィー(CMD)である。FCMD患者とMEB患者について報告されている変異遺伝子は、どちらもタンパク質の糖鎖付加にかかわる遺伝子らしい。ジストログリカンは、筋肉のジストロフィン‐糖タンパク質複合体の成分で、糖鎖が非常に多数付加されている。また脳でも発現されているが、そこでの機能は不明である。ここでは、マウスの脳のジストログリカンを選択的に欠失させると、それだけでCMDに類似した脳の形成異常が引き起こせることを明らかにする。大脳皮質の層状構造の乱れ、大脳半球や小脳回の癒合、顆粒細胞の移動の異常などといった形成異常である。ジストログリカンを欠失した脳は、細胞外マトリックスタンパク質であるラミニンに対する強い結合がなくなる。また軟膜表面の基底膜(グリアリミタンス)が不連続になるが、おそらくこれがニューロンの移動がうまく行かない原因なのだろう。そのうえ変異マウスでは、海馬での長期増強が著しく妨げられており、ジストログリカンがシナプス後部で学習と記憶にもかかわっていることが電気生理学的に示唆される。今回の結果は、ジストログリカンの異常がCMDに見られる脳の構造、機能異常の主因であるとする仮説を強く支持している。

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