Article 古生物:ヒト科化石が出土したチャドのToros-Menalla遺跡の中新世後期層の地質と古生物 2002年7月11日 Nature 418, 6894 doi: 10.1038/nature00880 初期のヒト科動物サヘラントロプス・チャデンシス(Sahelanthropus tchadensis)と認められる6個の化石標本はすべて、アフリカ中部チャドの北部のDjurab砂漠にあるToros-Menalla遺跡266(TM 266)1か所から出土した。本論文では、これらの化石が出土した地層の古生物学的および古生態学的な予備解析を報告する。TM 266に見られる豊富な動物相には、魚類やワニ類、水陸両生哺乳類といった水生動物がかなり含まれ、加えて、拠水林やサバンナで見られる霊長類やげっ歯類、ゾウ、ウマやウシといった動物類も含まれる。こうした動物相は、生物年代学的に考えると、700万年から600万年前の間に相当する。堆積学的証拠と合わせると、この動物相から、サヘラントロプス・チャデンシスは湖沼に近いが砂漠からもそう遠くない環境で暮らしていたと示唆される。これはおそらく、アフリカ中部の北側が新第三紀に砂漠であったことを示す最古の記録である。 Full Text PDF 目次へ戻る