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生化学:β‐カロテンヒドロキシラーゼの過剰発現は、シロイヌナズナのストレス耐性を高める

Nature 418, 6894 doi: 10.1038/nature00861

極端な環境におかれた植物が受けるストレスは作物収量減少の主な要因である。地球規模の環境変化が進む恐れがあるため、過酷な環境に耐える作物を開発することの重要性が高まりつつある。ストレスのなかでも特に太陽光照射量増加によって引き起こされるストレスは、光酸化による細胞障害の原因となる活性酸素種の産生をまねく。あらゆる光合成生物の膜に存在するカロテノイドは光依存性の酸化障害からの防護に関与している。植物ではキサントフィルサイクル(ビオラキサンチンとゼアキサンチンの2種のカロテノイドの可逆的な相互変換)が光防護の中心的な役割を担っており、ストレス耐性を高める遺伝子工学上の標的として有望である。今回、ゼアキサンチン生合成経路の酵素であるβ-カロテンヒドロキシラーゼをコードするchyB遺伝子をシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)で過剰発現させると、キサントフィルサイクルプールの大きさが基準量に比べて2倍に増加することがわかった。高照射量および高温といった条件に対して、この遺伝子導入植物の耐性が高いことは、葉の壊死の頻度が低下すること、ストレスの指標であるアントシアニンの生産が低下すること、脂質の過酸化が低下することから明らかである。ストレスの防御は、酸化による膜の損傷を防ぐゼアキサンチンの機能に基づくと考えられる。

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