Letter 化学:分子量900KのGroEL-GroES複合体のNMR分析 2002年7月11日 Nature 418, 6894 doi: 10.1038/nature00860 相対分子質量(Mr)が50,000〜100,000(50K〜100K)の生体高分子の構造は、一般的に溶液NMR分光法では分析が困難であると考えられてきた。ここでは、大きさがこの限界の10倍(Mr900Kに達する)の細菌シャペロニン複合体について、TROSY法およびCRINEPT法により得られたスペクトルについて報告する。ゆっくり揺れ動く大きな分子の場合、通常、急速な磁化の横緩和の影響を受けるが、このような手法を用いると、横緩和によるNMRスペクトルの劣化を防ぐことができる。これらの手法の分解能を、同位体ラベルしたホモ7量体型コシャペロニンGroES(Mr72K)を用い、溶液中で遊離した状態、あるいはホモ14量体型シャペロニンGroEL(Mr800K)または単一リングからなるGroELの変種であるSR1(Mr400K)と複合体を形成した状態について調べることで、検証した。GroESのほとんどのアミノ酸は、溶液中で遊離状態にあるか、あるいはシャペロニンと複合体を形成しているかには関わらず、同一共鳴周波数を示す。しかし、残基17〜32では、結合により大幅な化学シフト変化が見られた。これらのアミノ酸は、GroELとの接点部を形成しているGroESの可動性ループ領域の一部に属している。この結果は、大きな高分子複合体における構造、動力学的特性および相互作用の解明を可能にすると思われるこれらの溶液NMR研究技術の有用性を実証するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る