Letter 生理:壊死細胞からのクロマチンタンパク質HMGB1の放出が炎症の引き金となる 2002年7月11日 Nature 418, 6894 doi: 10.1038/nature00858 HMGタンパク質1(HMGB1)は、核因子でもあり、分泌タンパク質でもある。細胞の核内では、クロマチン結合性の構造因子としてDNAを屈曲させ、特異的なDNA標的上でのタンパク質の集合を促進する。細胞外ではRAGE(後期糖化反応生成物受容体)に高い親和性で結合し、強力な炎症メディエーターである。HMGB1は活性化された単球やマクロファージから分泌され、壊死細胞や損傷細胞によっても受動的に放出される。ここでは、Hmgb1-/-細胞は、壊死しても炎症を引き起こす力が著しく低いことを報告する。この事実は、HMGB1の放出が細胞の死を周囲に伝達するシグナルになり得ることを示している。アポトーシスを起こしている細胞は、二次性の壊死や部分的な自己分解の後もHMGB1を放出せず、そのため食細胞によってすぐに取り除かれなかった場合でも炎症を誘起しない。アポトーシスを起こしている細胞では、ヒストンのアセチル化の程度が全般的に低いためにHMGB1がクロマチンに強く結合している。クロマチンの脱アセチル化が阻害された場合には、HMGBIが細胞外液へと放出され、その結果炎症が促進される。つまりアポトーシスを起こしている細胞は、外傷によって損傷を受けたり、あるいは死んだりした細胞が出すシグナルを、保留するようにプログラムされている。 Full Text PDF 目次へ戻る