Letter

気候:更新世中期におけるシベリア大陸部の弱い気候変動

Nature 418, 6893 doi: 10.1038/nature00886

48万年前から38万年前にわたる海洋酸素同位体ステージ12(MIS 12)とMIS 11との間の海洋記録に炭素同位体と酸素同位体のデータで大きな差が見られることは、極端に寒冷な氷河期から異常に温暖な間氷期へ変化したことを表わしていると解釈されていて、その影響は全球の氷量、海水準及び全球の炭素循環に及んでいる。変化の大きさは、軌道の強制力(地球の軌道要素の変化による影響)がその時代は比較的弱かったと予測されているので興味を引くところである。ここでは、シベリアのバイカル湖で得られた堆積物の連続記録を解析したところ、MIS 15aとMIS 11の間(約58万年前から38万年前)の期間にほぼ連続した間氷期の珪藻群落、沿岸帯の安定した底生珪藻群落、及び「間氷期」の特徴を持った岩石性の堆積層が存在することが判明した。これらのデータからは、MIS 12からMIS 11への気候の変化は、もっとも最近の氷期―間氷期変化である更新世後期(約13万年から1万年前)のものよりも顕著に弱かったことが推測される。またMIS 15aからMIS 11までの期間は、山岳地帯での広範な氷河作用がなかったらしいと考えられる。

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