Letter 免疫:AIDの引き起こす大腸菌の変異はDNA脱アミノ反応による抗体多様化の仕組みを示す 2002年7月4日 Nature 418, 6893 doi: 10.1038/nature00862 遺伝子再構成の後、免疫グロブリン可変領域の遺伝子は体細胞超突然変異や遺伝子変換によって多様化される。一方、定常領域はクラススイッチ組換えによって変更を受ける。これら3つの過程全てが、配列の類似性からRNAを編集する機能を持つと考えられるB細胞に特異的なタンパク質である活性化誘導性シチジン脱アミノ酵素(AID)に依存している。しかし、これら3つの遺伝子多様化過程が、共通のタイプのDNA損傷によって開始されるらしいことが示され、またdC/dGを標的とする体細胞超突然変異の第一段階が存在するという考察もあるところから、我々はAIDがdC/dG対の箇所で直接機能するのではないかと考えた。本論文では、大腸菌中でAIDを発現させると、状況に応じてdC/dGヌクレオチドトランジション(変異)を生じるミューテーター表現型が生じることを明らかにする。AIDによって誘発される変異は、ウラシルDNAグリコシラーゼの欠損によって促進される。このことは、AIDがDNAのdC残基を脱アミノ化する働きを持つことを示している。我々は、機能的な免疫グロブリン遺伝子の多様化は、AIDによる免疫グロブリン遺伝子座のdC残基の脱アミノ反応が引き金となって開始され、きっかけとなるdU/dG損傷がどのようにして取り除かれるかによって、体細胞突然変異フェーズ1と2、遺伝子転換やクラススイッチ組換えのいずれかが結果として起こると考える。 Full Text PDF 目次へ戻る