Letter 生理:細菌との共生にも菌類との共生にも必要な植物の受容体様キナーゼ 2002年6月27日 Nature 417, 6892 doi: 10.1038/nature00841 高等植物の大部分の種は樹枝状体を形成する菌根菌を根に共生させることができ、菌根では植物の炭素と菌類のリン酸とが交換される。この共生関係の起源は古く、初期の陸上植物の化石ですでに見られる。これに対して、植物が細菌と根粒を形成して窒素固定を行う共生関係はそれよりも後に進化したもので、植物の種類も系統分類的にrosid Iクレードに限定されている。これら2つの共生関係はともに、一部がオーバーラップする遺伝プログラムに頼っている。我々は、この収斂現象の分子レベルでの基盤を、ミヤコグサとエンドウのオルソロガス遺伝子SYMRK(symbiosis receptor-like kinase;共生受容体様キナーゼ)のクローニングによって突き止め、SYMRKが菌類の認識にも細菌の認識にも必要なことを見つけた。タンパク質SYMRKは、シグナルペプチドや、ロイシンリッチリピートを含む細胞外ドメイン、細胞膜貫通ドメイン、細胞内タンパク質キナーゼドメインをもっていると予想される。ミヤコグサのSYMRKは、微生物の信号分子を感知して、共生に関連した遺伝子をすばやく活性化する共生信号伝達系に必要である。共生相手である菌類や細菌の感知に関与する信号伝達成分が少なくとも1つは共通していることから、先に現れた菌根菌の共生関係から根粒の共生関係が進化する際に、こうした信号伝達成分が動員された可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る