Letter

神経:到達行動時の機械的負荷についての運動野内部モデルの重ね合わせ

Nature 417, 6892 doi: 10.1038/nature00834

ヒトの運動系で特徴的な点は、異なる環境条件に対して運動パターンを適応させられるということで、たとえば、アイスホッケーの熟練選手は防具をつけているときでもいないときでも同じように正確にパックを叩ける。スティックやショルダーパッド、エルボーパッドなど個々の道具は、四肢にそれぞれ別々の負荷を与えているのに、脳は異なる機械的条件の下でどのようにして運動を制御できるのか。これを理解することは、運動系の神経科学に課せられた重要な問題である。この問題について、ヒト以外の霊長類の肩関節と肘関節に粘性的な負荷をかけて、あるいはかけずに到達行動(目標に向けて手を伸ばす行動)を訓練し、それぞれの負荷条件下での一次運動野(MI)の神経表現を調べてみた。肩関節の負荷と肘関節の負荷は機械的に独立なものであるのに、いくつかのニューロンは両方の負荷に反応した。複数関節負荷条件下での個々のニューロンの活動の変化は、成分としての単関節負荷への反応から予測することが可能だった。これらの知見から、異なる機械条件についてのMIの神経表現は高度に構造化された形で構成されており、より単純な運動課題の実行から複雑な運動行動を習得していくための神経基盤となっていると考えられる。

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