Letter 細胞:フェロモンおよびDNAと複合体を形成した菌体数感知転写因子の構造 2002年6月27日 Nature 417, 6892 doi: 10.1038/nature00833 プロテオバクテリアの多くはN‐アシルホモセリンラクトンと呼ばれるフェロモンを放出して菌体密度を監視することができる。菌体密度が高い場合、このフェロモンにより生物発光、バイオフィルム形成、抗菌物質産生、DNA交換、病原性発現、共生など多様な応答が誘導される。このような調節機構の多くは、Vibrio fischeriのLuxRタンパク質に似たフェロモン依存性転写因子を必要とする。今回、LuxR型タンパク質の一種である、Agrobacterium tumefaciensのTraRの構造を示す。このTraRは、フェロモンN-3‐オキソオクタノイル‐L‐ホモセリンラクトン(OOHL)およびそのTraR DNA結合部位との複合体として1.66Å分解能で解析を行った。TraRのアミノ末端ドメインにはOOHLと結合するα/β/αサンドイッチ構造があり、カルボキシ末端ドメインにはへリックス‐ターン‐へリックスDNA結合モチーフがある。TraR二量体には各ドメインに二回回転対称軸が認められる。しかし2本の対称軸は約90°の角度をなしているため複合体全体としては明白に非対称となる。OOHLはタンパク質であるTraR内に完全に埋まった状態で存在しており、溶媒との間にほとんど接触はなく、TraRとの間には数多くの疎水性接触と4対の水素結合が認められる。そのうち3対は直接的な結合であり、1対は水分子を介した結合である。 Full Text PDF 目次へ戻る