Letter

宇宙:重力レンズによる多数の遠いクェーサーからの光の増幅

Nature 417, 6892 doi: 10.1038/nature00794

最大でz=6.28の赤方偏移を示す、非常に明るいクェーサーが最近発見されている。クェーサーは、銀河の中心にある超大質量のブラックホールへのガスの降着によってエネルギーの供給を受けると考えられている。クェーサーの最大(エディントン)光度は、ブラックホールの質量に依存し、特に明るいクェーサーのエネルギー源は太陽質量の数十億倍を超える質量のブラックホールだと推測される。そのような大質量ブラックホールが存在しているということは、このようなブラックホールがビッグバンから10億年以内に形成されなければならないことになり、初期宇宙における構造の形成に関する従来のモデルに疑問が投げかけられている。本論文では、z≒6を示す既知のクェーサーの最大3分の1は、視線方向に沿った銀河の重力レンズ効果によって、観測されるフラックスが10倍以上増幅されていることを示す。したがってクェーサー母銀河の推定存在度も、クェーサーによって与えられる光度密度も、かなり過大なものであったことになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度