Letter 生態:消費者と資源は種多様性および生態系の機能を制御する 2002年6月20日 Nature 417, 6891 doi: 10.1038/nature00830 生態学における大きな争点の1つは、どんな要因が生物群集における種多様性を制御しているのかという問題である。生態学者は、生産力もしくは資源供給を重要視する一派と、消費者もしくは物理的撹乱を重要視する一派の2 つに大きく分かれる。こうした変数は、隔離して操作した場合、多様性の増加につれて単峰形の相関曲線を描く。しかし、最近の複数変数型モデルからは、これらの要因が相互作用し、撹乱−多様性の相関が生産力に依存し、またその逆も成り立つことが予測されている。我々は、対照的な生産力を有する岩石海岸において栄養源と消費者による圧力を野外操作し、海洋食物網でこれらのモデルを検証した。そして本論文で、消費者と栄養が多様性に及ぼす作用は、一貫して互いに依存し合っており、これらの作用の向きと多様性のピークは、低い生産力から高い生産力の間で移行する。すでに報告されている実験の因子メタ分析から、非常に多様な水生群集において、これらの結果が確認される。さらに我々の実験から、これらのパターンが、炭素の蓄積や窒素の保持といった生態系のもつ重要な機能にまで及ぶことも明らかになった。このことから考えて、栄養供給源と食物網構造に人類が及ぼす影響は、種多様性や生態系の機能に対して強力かつ相互依存的に作用し、したがって両者は一緒に対策管理されるべきである。 Full Text PDF 目次へ戻る