Letter 生理:Na+/H+交換体調節因子2は副甲状腺ホルモン1受容体シグナル伝達を誘導する 2002年6月20日 Nature 417, 6891 doi: 10.1038/nature00816 副甲状腺ホルモン1受容体(PTH1R)は、II型Gタンパク質共役型受容体である。血中のカルシウムとリン酸を調節するホルモンPTHと、発生、特に骨格の発生に不可欠なパラ分泌/自己分泌因子であるPTH関連タンパク質(PTHrP)は、どちらもPTH1Rのアゴニストである。PTHと PTHrPに対する細胞の応答の大半は、アデニル酸シクラーゼの活性化によるものと考えられているが、PTHとPTHrPの作用の多くがアデニル酸シクラーゼとは無関係のように見える。ここではPTH1Rが、in vitroとPTH標的細胞内の両方で、PDZドメインを介してNa+/H+交換体調節因子(NHERF)1と2に結合することを示す。NHERF2は、PTH1Rのカルボキシ末端にある通常とは異なったPDZ共通モチーフETVMとホスホリパーゼCβ1とに、それぞれPDZ2とPDZ1を介して同時に結合する。NHERF2-PTH1R複合体を発現する細胞にPTHを与えると、ホスホリパーゼCβが大幅に活性化され、阻害性Gタンパク質(Gi/oタンパク質)の刺激を通してアデニル酸シクラーゼが阻害される。PTH1RとホスホリパーゼCβとがNHERFを介して結合するというのは、PTHシグナル伝達系を制御する機構としては、NHERFを発現する極性細胞とその膜だけに特有なものであり、PTH/PTHrPの行う多数の組織特異的、細胞特異的作用を、これで説明できるかもしれない。また、このような機構は、多くのGタンパク質共役型受容体シグナル伝達系にも関連している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る