Letter 生態:密度依存死と種多様性に見られる緯度に沿った勾配 2002年6月13日 Nature 417, 6890 doi: 10.1038/nature00809 生態学者たちは長い間、熱帯における樹種多様性の高さが密度依存死によって維持されているという前提に立ってきた。数が増えるとその種の死亡率が高くなるなら、希少種の存続が可能となる。熱帯林では他に比べて、密度依存死の作動因(寄主特異的な捕食者や病原体など)がより一般的だったり効果が大きかったりする可能性がある。というのも、熱帯林ではこうした作動因が気候要因に制限されないからである。だとすれば、緯度が高くなるにつれて密度依存死が減るということにより、樹種多様性に見られる緯度に沿った勾配を部分的に説明できるかもしれない。この仮説はこれまで、緯度に関するデータを使っての検証がなされていなかった。本論文では、数種の温帯樹が種子散布から実生確立までの間に密度依存死を被ることを示す。影響を受けた種の割合は、熱帯林で同様の影響を受けた種の割合と等しく、したがって、熱帯域の緯度では密度依存死が他の緯度地域より優勢だとする説は裏づけられない。我々はさらに、従来の研究において密度依存死が誤って解釈されていたことを示す。我々の得た結果および他の研究による証拠から、密度依存死が多くの森林において重要なことが示唆される。つまり、密度依存死の作用効果が緯度につれて変化するのでないかぎり、熱帯林に見られる多様性の大きさを密度依存性死亡によって説明することはできないだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る