Letter 医学:初期のアテローム性動脈硬化症におけるアテローム生成的リポタンパク質の内皮下貯留 2002年6月13日 Nature 417, 6890 doi: 10.1038/nature00804 アテローム性動脈硬化の合併症は西洋社会における最も一般的な死亡原因である。疫学的調査により同定された多くの危険因子のうち、アポリポタンパク質(apo)Bを含むリポタンパク質レベルの上昇だけが他の危険因子が存在しない場合でもヒトや実験動物にアテローム性動脈硬化発症を促すことができる。しかしながらアテローム性動脈硬化症をもたらすメカニズムについては未だによく理解されていない。我々はアテローム生成的apoBを含むリポタンパク質の内皮下での貯留がアテローム性動脈硬化の初発段階であるという仮説を検証した。内皮下の細胞外基質、特にプロテオグリカンがリポタンパク質の内皮下貯留に主要な役割をしていると考えられている。アテローム生成的リポタンパク質とプロテオグリカンとの相互作用には、apoB100の塩基性アミノ酸とプロテオグリカン上の負に荷電した硫酸基との間のイオン性相互作用が関わっている。本論文ではapoB含有低密度リポタンパク質(LDL)によるアテローム生成がそれらの動脈壁プロテオグリカンに対する親和性と関連しているという直接的な実験的根拠を示す。プロテオグリカン結合性に欠陥があるLDLを発現するマウスは、野生型のコントロールLDLを発現するマウスに比べアテローム性動脈硬化が有意に軽度であった。このことから我々はapoB100含有リポタンパク質の内皮下貯留がアテローム形成の初期段階であると結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る