Letter

物性:単一分子トランジスタにおける近藤共鳴

Nature 417, 6890 doi: 10.1038/nature00790

独立した分子、ナノ結晶、ナノチューブあるいはリソグラフで作った量子ドットがトンネル障壁を介して金属電極に結合するとき、電子輸送はおもに単一電子の荷電過程とエネルギー準位の量子化によって起こる。電極とのカップリングが増すと、高次のトンネリングと相関電子運動により、近藤共鳴などの現象が起こる。これまで、量子ドットにおける近藤現象の研究はどれもスピン自由度の正確な制御が困難な系で行われてきた。明確に定まった化学組成によりスピンと軌道の自由度を制御できる遷移金属原子を含む分子はこの点で強力な新しい系となる。今回、独立したバナジウム分子がスピン不純物として働く単一分子トランジスタにおいて近藤効果を観測したので報告する。我々は、ゲート電圧を用いて分子の電荷とスピンの状態を変えることにより、近藤共鳴を可逆的に調節できることを見いだした。共鳴は、30Kまで、また、分子状態と金属のフェルミ準位の間のエネルギー差が100meVを超えるまで保たれた。

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