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発生:Hsp90は表現型多様性の集積役である

Nature 417, 6889 doi: 10.1038/nature749

熱ショックタンパク質90(Hsp90)は、さまざまな調節タンパク質の成熟の介添え役を果たしており、キイロショウジョウバエではHsp90は形態形成過程において遺伝的多様性の影響を和らげる緩衝役を務めている。遺伝的多様性の程度やパターンは、ショウジョウバエのような絶対的異系交配をする種と、シロイヌナズナのような自家受精する種で大きく違っている。また、植物の発生は外界からの信号と連動して動物に比べて可塑性が大きい。本論文では、シロイヌナズナクローンの登録株と組み換え同系交配株においてHsp90の機能を低減させると、形態的表現型がさまざまに生じ、これらを左右するのは潜在している遺伝的多様性であることを報告する。Hsp90は、遺伝的多様性の緩衝および表出に及ぼす作用の強さや範囲から考えて、進化の過程に何らかの影響を及ぼしている可能性がある。本論文ではさらに、Hsp90が外界からの信号に応答した形態形成に影響を及ぼしており、確率論的な過程で生じる不安定化を和らげて正常な発生を維持していることも示す。Hsp90の緩衝能力の操作は、潜在する遺伝的多様性を利用したり、表現型の決定に際した遺伝子型、環境、確率論的出来事の3者間の相互作用を解明するのに使える。

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