Letter 細胞:繊維状ファージの組み込みには、宿主のリコンビナーゼXerCとXerDが必要である 2002年6月6日 Nature 417, 6889 doi: 10.1038/nature00782 バクテリオファージや動物ウイルスの多くは、ゲノムを宿主の染色体DNAに組み込んで、垂直感染を進める手段にしている。組み込みが部位特異的に起こるファージには酵素インテグラーゼがコードされていて、これがファージと宿主ゲノムの組換えを触媒する。CTXφはコレラ毒素をコードする遺伝子を含む繊維状ファージである。コレラ毒素は、グラム陰性菌で重症の下痢を引き起こすコレラ菌Vibrio choleraeの主要な病原性因子である。CTXφはコレラ菌ゲノムに部位特異的に組み込まれるが、約6.9キロ塩基(kb)のCTXφゲノムには、既知のリコンビナーゼにある程度の相同性を示すタンパク質がまったくコードされていない。本論文では、コレラ菌ゲノムへのCTXφの組み込みには、染色体にコードされている2種類のリコンビナーゼXerCとXerDが不可欠なことを報告する。この2つの酵素は本来、二量体になった染色体をdif組換え部位で分離するためのものである。CTXφが組み込まれる部位は、コレラ菌がもつ2本の染色体のうち、大きい方の染色体のdif部位と重なっていることがわかった。他の繊維状ファージの組み込み部位の塩基配列を調べると、さまざまな細菌でdifに類似した部位へのこのようなファージの組み込みにXerC、XerDリコンビナーゼが関わっていることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る