Letter 発生:ヒト新皮質のGABA作動性ニューロンの起源 2002年6月6日 Nature 417, 6889 doi: 10.1038/nature00779 哺乳類の新皮質には大別して二種のニューロン、投射ニューロンと局所回路ニューロンとがある。投射ニューロンは興奮性神経伝達物質のグルタミン酸を含み、局所回路ニューロンは抑制性でGABA(γ‐アミノ酪酸)を含む。新皮質の回路の複雑な機能は、GABA作動性局所回路ニューロンの数と多様性に依存している。今回、ヒト胎児前脳の器官保存的切片培養でレトロウィルスを用いて標識する方法で、新皮質のGABA作動性ニューロンに、二つの別個の系列があることがわかった。一つは転写因子のDlx1/2とMash1を発現し、新皮質のGABA作動性ニューロンの65%を占め、背側前脳の脳室および脳室下領域のMash1を発現する前駆細胞から発生するものである。第二の系列は、Dlx1/2を発現するがMash1は発現せず、GABA作動性ニューロンの35%を占め、腹側前脳の節様隆起から発生するものである。前脳での転写因子の発現パターンの調節は、新皮質局所回路ニューロン産生の種特異的なプログラムの基盤となっており、二種の皮質介在ニューロン系列が、ヒト脳の遺伝性および後天性疾患で、それぞれ異なる影響を受けている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る