Letter 医学:宿主によって引き起こされるコレラ菌の流行蔓延 2002年6月6日 Nature 417, 6889 doi: 10.1038/nature00778 流行蔓延の際に病原体の伝染性が増強する要因についてはあまり明らかになっていない。下痢性疾患であるコレラの水を介した蔓延は自然界では急速に起こるが、その一方でin vitroで成育させた細菌を被験者に感染させることは、胃酸を緩衝しない状態では難しい。しかしながら、胃の酸性度が流行蔓延に寄与する主な要因であるかどうかについては定かではない。本論文ではヒトの糞便中のコレラ菌の性質を決定することによって、ヒトへの定着が播種の後も維持されコレラの流行蔓延に寄与すると考えられる細菌の高い感染性状態を作り出すというモデルを支持する結果が得られたことを報告する。糞便サンプル中のコレラ菌の転写プロファイリングから、栄養獲得や運動性に必要な遺伝子の高い発現レベルと細菌の走化性に必要な遺伝子の低い発現レベルを特色とする独特の生理学的、行動的状態が明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る