Letter 大気:エアロゾルに含まれる植物由来の生物標識は陸上での光合成による同位体選別を示している 2002年6月6日 Nature 417, 6889 doi: 10.1038/nature00777 海洋による炭素の取り込みと陸地生物圏による炭素の取り込みは、大気中の二酸化炭素の12C/13Cの同位体比(δ13C)の変化を用いて区別することができるが、これは陸地の光合成は13CO2を強く排除するのに対して、海洋による取り込みではそのようなことが行われないためである。この方法は、大きな地域スケールでの陸地の光合成における炭素同位体選別の推定値(Δ)の正確さに依存する。しかし陸地の生態系の持つ不均一性のため、このような推定値が問題を含むことが起こる。本論文では、大陸性気団中に含まれる、植物から削り取られたろう化合物が、大きな空間的スケールにわたる1ヶ月以下の時間単位でのΔ推定に使用できることを示す。我々は、バーミューダ諸島に移流した主として北米起源の大陸性気団中に含まれる植物由来のろうについて測定を行い、ろうの同位体組成だけからΔを推定した。得られた推定値は、北米温帯生物圏のΔの季節変動が大きい(5-6パー・ミル)こと、同位体選別が最大になるのは晩春で、それは生物生産の開始と一致することを示している。観測された季節性は、C3植物とC4植物による生産の割合の季節変動や、C3植物が優占する生態系が行う光合成における同位体選別の環境的に調節された適合などを含む、いくつかの要因から生ずると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る