Letter 物性:層状強相関金属におけるコヒーレンス―非コヒーレンス交差および次元交差 2002年6月6日 Nature 417, 6889 doi: 10.1038/nature00774 相互作用する電子系の特性は電子相関と有効次元に依存する。例えば、電子間のクーロン反発はサイト間の電子ホッピングによる伝導を抑制するか完全に阻止し、これによってある材料が金属であるか絶縁体であるかが決まる。さらに、有効次元の数が減ると相関効果が増す。3次元系では低エネルギー電子状態が準粒子として振る舞うが、1次元系では弱い相互作用によってさえ準粒子は崩壊し、集団励起となる。次元性は、1ないし2次元の構成部材がゆるくつながって全体が3次元となるようなエキゾチックな低次元材料で特に重要である。今回、2つのそのような層状金属系を角度分解光電子放出分光法と電子輸送測定により調べたところ、温度の低下に伴って有効次元の数に交差(2から3へ)が見られた。このことは、これらの材料が、層に垂直な方向には高温で絶縁性をもつが、低温で金属様になる一方、層内の輸送はすべての温度範囲で金属的であるという観測から明らかとなった。この有効次元の変化は層内にコヒーレントな準粒子が存在することと相関すると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る