Letter 医学:軸索再生を促進するNogo-66受容体アンタゴニストペプチド 2002年5月30日 Nature 417, 6888 doi: 10.1038/417547a ミエリン由来の軸索伸長阻害因子、たとえばNogoは、成体哺乳動物で外傷を受けた中枢神経系(CNS)で軸索再生が起こらないことの原因である可能性がある。Nogo中の66アミノ酸残基領域(Nogo-66)は、オリゴデンドロサイトの表面に発現しており、軸索上のNogo-66受容体(NgR)を介して軸索の伸長を阻害することができる。単クローン抗体IN-1は、Nogo-Aを認識して皮質脊髄路の再生と動物行動の回復を促進することが知られているが、IN-1がNogo中のどのエピトープを認識しているかが不明なことや、IN-1のNogoへの特異性に限界がありミエリンへの非特異的な効果があることから、Nogo-66やNgRの役割についてこれまで確かな結論を下すことができなかった。今回、Nogo-66のアミノ末端ペプチド断片からNgRに対する拮抗阻害物質を同定した。その阻害ペプチドNogo-66(1-40)(NEP1-40)は、in vitro実験でNogo-66の機能とCNS軸索伸長を阻害し、ミエリンによる軸索伸長阻害の大きな部分をNgRが担っていることを示した。胸髄中位で脊髄半切を行ったラットに対してNEP1-40を脊髄内投与すると、皮質脊髄路の軸索成長が有意にみられ、機能的回復も増大した。したがって、Nogo-66とNgRがCNS受傷後の軸索再生を制限する主要因であることが確かめられたと同時に、NEP1-40は治療剤として使える可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る