Letter 地球:逆転した大陸モホ面と前弧マントルの蛇紋岩化 2002年5月30日 Nature 417, 6888 doi: 10.1038/417536a 沈み込むリソスフェアプレートにより深さ100km以深にまで輸送された揮発性物質は、その上のマントルウェッジに部分溶融を引き起こし、島弧の火山活動をもたらして、その上のリソスフェアへ大量の物質を付加させる。アセノスフェアの流れとウェッジ内での上昇流は、このような背弧領域のリソスフェア温度を上昇させるが、前弧のマントル(ウェッジの角)はかなり温度は低いと考えられている。ここでは、カスケード沈み込み帯南部のマントルウェッジの構造を、可搬型広帯域地震計の稠密な配列で記録された散乱遠地地震波を用いて調べた。その結果、温度の低い前弧マントルに、例外的に速度が「逆転」した大陸モホ面が生じていることにより、非常に横波速度の遅い領域があることを発見した。この面はカスケード島弧の海側では通常の極性に戻っている。この観測は極度に水和し蛇紋岩化した前弧領域に対する疑いのない証拠を与えており、前弧マントルウェッジに対する温度及び岩石学的モデルとも矛盾しない。この蛇紋岩化した物質は強度が低いと考えられ、したがってマントルウェッジ内の大規模な流れの性質だけでなく、下向きに傾斜した巨大逆断層地震の破壊限界も支配している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る