Article 生理:イオン通過孔が開状態にあるカリウムチャネルのコンホメーション 2002年5月30日 Nature 417, 6888 doi: 10.1038/417523a 生きている細胞は、自身に備わるイオンチャネルの開閉機構を通じてチャネルの活動を調節している。イオン通過孔を開けるには、チャネルタンパク質の膜貫通領域であるイオン通路部分でコンホメーション変化が起こらなくてはならない。こうしたチャネル開閉状態の移行がどのように起こるかは、それぞれ閉状態と開状態のK+チャネルにあたるKcsAやMthKについて、その機構が明らかになっている。イオン通過孔の「内壁」を作っているヘリックスには、約30度まで曲がる「開閉用ちょうつがい」部分がある。この部分がまっすぐなコンホメーションでは、4本の内壁ヘリックスが1つの束となり、細胞膜の内側表面に近いところで通過孔を閉じている。ちょうつがい部分が曲がった立体配置では、内壁ヘリックスが朝顔状に開いて広い(12Å)入口ができる。アミノ酸配列が保存されていることから、イオン通過孔の開閉機構には、リガンド依存性チャネルも電位依存性チャネルも含めた広い範囲のK+チャネル類に共通する構造的基盤があるとみられる。開状態のコンホメーションでは、チャネルの膜貫通領域を圧縮して、選択フィルター領域のコンダクタンスを高めやすいようになっており、また大型の有機陽イオンや不活性化ペプチドも細胞内溶液から通過孔に入り込むことができる。 Full Text PDF 目次へ戻る