Letter 医学:マラリア原虫の伝播を抑えるトランスジェニック・ハマダラカ 2002年5月23日 Nature 417, 6887 doi: 10.1038/417452a マラリアによって年間70から270万人が死亡すると見積もられているが、実際の死亡者数は過少報告や診断が困難であるという理由からかなり多いと推察される。もし新たな制御手段が開発されなければマラリアの犠牲者は今後20年間で2倍になると考えられている。この病気をコントロールする努力は薬剤耐性マラリア原虫や殺虫剤耐性媒介蚊の出現、そして効果的なワクチンが無いことにより実っていない。蚊はマラリア伝播の絶対的な媒介者なので、蚊が原虫を伝播できないようにすることによってマラリアの蔓延を抑えることができると考えられる。媒介蚊のマラリア伝播能力を遺伝学的に操作するために必要となる手段が多く開発されている。今では外来遺伝子をハマダラカ亜科とナミカ亜科の両方の生殖系列に導入することができ、この導入遺伝子を組織特異的に発現させることが可能である。本論文では中腸上皮に抗原虫遺伝子を発現させたトランスジェニック蚊を作成するためにこのような手段が有効であり、これによってこのトランスジェニック蚊がマラリアの非効率的な媒介者になることを示す。これらの発見はマラリアをコントロールする新たな方策の開発に重要な影響を与えるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る