Letter 地球:中央アジアにおける低いすべり速度と地表の特徴の長期的保持 2002年5月23日 Nature 417, 6887 doi: 10.1038/417428a インド‐アジア衝突帯の力学的特性を理解するためには、中央アジアのひずみ分布を知ることが重要だが、その決定は活断層のすべり速度に依存している。中央アジアでの断層のすべり速度に関する従来の推定研究の多くは、断層の食い違いによる地形が最終氷期極大期(約2万年前)よりも若いという仮定に基づいていた。これに対して、ここでは宇宙線生成核種による年代決定を行い、チベット高原北縁の衝上断層近傍にある台地群の表面露出年代が4万年から17万年の範囲内であることを示す。この年代決定を地質構造の食い違いと合わせて考えると、この活衝上断層の長期的なすべり速度が0.35mm yr-1しかないことが示唆されている。この値は、台地が最終氷期極大期の後に形成されたとする仮定から得られた速度より一桁小さい。我々のデータは、中央アジアでは地表の特徴を保持する力がこれまで一般に考えられていたよりも高いことを立証している。 Full Text PDF 目次へ戻る