Letter

宇宙:クレーターの形状比較によってガリレオ衛星の氷殻の厚みを絞り込む

Nature 417, 6887 doi: 10.1038/417419a

もし木星の大型衛星であるエウロパの表面に見られる氷殻が薄ければ、その表面と表面下にあると推定されている海洋との間で有機物質や生物起源の物質が交換されやすい状態にあることが暗示される。しかし、この氷殻の厚みは、あまり絞り込まれていない。モデルに基づく研究では、数キロメートルから10キロメートル、あるいはそれ以上とさまざまに推定されている。本論文では、エウロパ、ガニメデとカリストの表面上にある衝突クレーターの深さを測定した結果を示す。この測定結果においてクレーターの直径を増やしていくと、形状が大きく変化するポイントが2度見られる。第1の変化は、氷殻の浅い場所(エウロパ表面下7〜8kmの地点)に温度に依存した延性が見られることと関係している可能性が高い。そして第2の変化は、エウロパ、ガニメデとカリストにおける表面下にある海洋の影響を原因としており、その結果としてエウロパの氷殻の厚みが19 km以上であることまで絞り込まれる。ガニメデとカリストの凍ったリソスフェアにも同じく氷が多く含まれているが、エウロパの氷殻に見られる熱的構造の厚みは、年代によって、ガニメデやカリストの地殻の約4分の1から2分の1となっている。エウロパ表面上のクレーターの外観は「薄い氷殻」モデルと整合せず、表面と表面下の海洋との物質交換が難しい可能性を示している。

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