Letter 医学:ゲノム複製とパッケージングに関与するロタウイルスのタンパク質はHIT様の折畳み構造を示す 2002年5月16日 Nature 417, 6886 doi: 10.1038/417311a 生命に関わることがある乳児性胃腸炎の主要な原因であるロタウイルスは、レオウイルス科に属している。ロタウイルスや、レオウイルス科の他のウイルスの構造は詳しく研究されているが、ウイルスがコードしている、ゲノム複製やパッケージングに不可欠な非構造タンパク質の構造についてはあまり判っていない。ロタウイルスの非構造タンパク質であるNSP2は、ヌクレオシドトリホスファターゼ活性を持ち、一本鎖RNAに結合し、そして核酸のへリックス構造を不安定化させる活性を示し、ウイルスのレプリカーゼ複合体の主要な構成成分である。本論文では、機能を持つNSP2八量体について、X線解析により2.6Å分解能で決定した構造を示す。NSP2単量体は2つの別個のドメインを持つ。アミノ末端のドメインは今まで知られていなかった折畳み構造である。カルボキシ末端のドメインは、細胞内に広く存在するヌクレオチジル加水分解酵素の、ヒスチジン三連構造 (HIT)を持つグループのものと類似している。この構造の類似性から、ヌクレオチド結合部位はこの2つのドメインの間隙中にある溝部分に位置すると考えられる。ドーナツ形の八量体を斜めに横切るのがはっきり見える溝がおそらくRNA結合部位である。NSP2単量体を四次的に組み合わせることで生じる数個のRNA結合部位は、NSP2のへリックスを不安定化する活性とゲノム複製及びパッケージングの際の機能に必要と考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る