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医学:3種の気分安定剤に共通な作用機構

Nature 417, 6886 doi: 10.1038/417292a

リチウム、カルバマゼピン、バルプロ酸は、双極性感情障害における気分安定に有効である。しかし、これらの薬剤の作用機構も障害の機構そのものもわかっていない。Berridgeらは、双極性感情障害にリチウムが有効なのはイノシトールの枯渇によると考えていたが、グリコーゲンシンターゼキナーゼ(GSK3)がリチウムの標的であるとする説もある。バルプロ酸の作用についても、イノシトール枯渇に結びつける説とヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害の説とがある。今回、3種の気分安定剤のいずれもが、知覚ニューロンの成長円錐の崩壊を阻止し、その面積を増すことがわかった。この効果は、GSK3やHDACの阻害には依存しない。しかし、イノシトールは薬剤の成長円錐への効果を逆転させるので、イノシトール枯渇が作用機構である説が支持される。一方、粘菌Dictyosteliumの成長は、リチウムやバルプロ酸に感受性があり、イノシトール代謝を調節する酵素であるプロリルオリゴペプチダーゼの遺伝子を欠損させると、薬剤の効果が減少する。そこでプロリルオリゴペプチダーゼの阻害薬を投与したところ、3種の気分安定剤の知覚ニューロンの成長円錐への作用が見られなくなった。これらの結果から、双極性感情障害の発症と治療についての分子基盤が示唆される。

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