Letter 海洋:海の生物群集に対する気候の影響 2002年5月16日 Nature 417, 6886 doi: 10.1038/417275a 海洋魚類資源の変動を理解することは漁場の管理にとって重要であり、そのため、資源の変動と北大西洋振動(NAO)などの海洋・気候の変動との関連を論証する試みが行われてきた。NAOといくつかの魚類資源をふくむ一連の長期の生態学的指標との間には、相関が見られてきた。河口域は仔稚魚の重要な成育場であり越冬域であるが、そこにいる時期の仔稚魚は環境の影響を受けやすく、NAOのような環境変動の影響が最も大きく現れる可能性が高い。本論文では、16年間にわたるデータによって、気候強制(この場合はNAO)が河口生活期の海産仔稚魚の群集の組成、量および成長の変動を説明できる一貫してもっとも重要なパラメーターであることを示す。NAOの影響について考えられるメカニズムは河口域と外洋域との水温差で、これによって、魚類は最適の温度環境を条件に応じて利用することができる。魚類資源と気候の関係は、漁場の個体群量と個体数にとって、また河口域を利用する仔稚魚資源の組成の解明と予知にとって、そして魚類資源との関連での河口系の適切な保全にとって重要な意味をもつ。 Full Text PDF 目次へ戻る