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化学:氷粒子に吸着された塩化水素の溶媒和とイオン化における個別段階

Nature 417, 6886 doi: 10.1038/417269a

イオン化と解離反応は水溶液化学において基本的な役割を果たす。基礎的でよく知られている例は、塩化水素(HCl)と水から塩素イオン(Cl-)と水和プロトン(H3O+やH5O2+)が生成する反応だ。この酸イオン化過程は、小さな水クラスター内や氷の表面でも起こり、近年は、閉塞水の中でのこの反応の機構と、反応の進行に必要な溶媒和の程度とに関心が集まっている。実際、氷表面に吸着されたHClを50Kから140Kに加温すると、おもに分子形態だったのがイオン化学種に変換することが観察されている。しかし、この過程の分子レベルでの詳細の解明があまり進んでいない。今回、氷のナノ粒子に吸着されたHClを徐々に加温した際の、溶媒和とイオン化における個々の段階の赤外透過スペクトルの特徴を報告する。モンテカルロ法とab initioシミュレーションを用いてこのスペクトルを解釈したところ、わずかに伸びたHCl分子、イオン化直前の強く伸びた分子、H3O+とCl-とからなる接触イオン対、およびツンデルイオンH5O2+に富んだイオン性表面相を同定できた。

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