Letter

宇宙:最適質量輸送問題による宇宙の初期状態の再現

Nature 417, 6886 doi: 10.1038/417260a

今日観測される銀河分布へと進化を遂げた初期宇宙の密度ゆらぎの再現は、現代宇宙論の課題である。この密度ゆらぎを正確に再現できれば、再現された初期宇宙からの進化のシミュレーションと観測結果を比較して宇宙論モデルを検証することが可能となる。いくつかの再現技術が提唱されてきたが、それらはすべて、一意性の欠如という問題を抱えている。それは一意的な再現を一般的にもたらすために必要な速度が知られていないためである。本論文では、密度ゆらぎの再現について、十分に解明されている最適化問題として論じうることを実証し、N体シミュレーションから得られたデータとの比較検証で非常によい一致をみたアルゴリズムを示す。現在進行中の赤方偏移探査に我々のアルゴリズムを適用することによって、近傍宇宙の初期のゆらぎ場の特性を高い信頼性をもって再現でき、また他のいずれの方法よりも多くの銀河について、その特異速度(ハッブル膨張則からのずれ)や真の位置を正確に決定できると考える。

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