Letter

生理:バクテリオフィトクロムは酸素非発生型光合成細菌の光化学系合成を制御する

Nature 417, 6885 doi: 10.1038/417202a

植物は、周囲の光の変化に応じて成長や発生を制御するために、一群の光感知装置を使っている。その中で、フィトクロムは生物学活性のない赤色光吸収型(Pr)と活性をもつ近赤外光吸収型(Pfr)とを切り換えることによって制御を行っている。最近の生化学研究や遺伝学研究によって、光合成細菌や非光合成細菌にもフィトクロムに似たタンパク質があることが明らかになったが、その機能はほとんどわかっていない。ここでは、マメ科植物であるAeschynomene属と共生する根粒菌のBradyrhizobium属で、光合成遺伝子クラスターの下流に位置するバクテリオフィトクロムを発見したので報告する。完全な光合成装置の合成は、このバクテリオフィトクロムによってすべて制御されている。近縁の細菌Rhodopseudomonas palustrisについても同じような現象が観察されているが、もっと関係が遠い酸素非発生型光合成細菌Rhodobacter属、Rubrivivax属、Rhodospirillum属ではこれは見られない。このバクテリオフィトクロムのカルボキシ末端ドメインには、他の(バクテリオ)フィトクロムとは違ってヒスチジンキナーゼ活性はない。これらから、リン酸化カスケードが関わらない、タンパク質どうしの直接相互作用を含む光シグナル伝達系の存在が示唆される。このような特異的制御機構は、植物と細菌の相互作用を最も効果的にするための重要な生態的適応である可能性がある。

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