Letter 細胞:アポトーシス細胞を貪食細胞に繋ぐ因子の同定 2002年5月9日 Nature 417, 6885 doi: 10.1038/417182a 有害かまたは免疫原性のある細胞内物質が死にゆく細胞から放出されるのを防ぐため、アポトーシス細胞は速やかに貪食細胞に飲み込まれる。これにより周囲の組織の統合性と機能が維持される。貪食細胞はアポトーシス細胞を飲み込むが健康な細胞は飲み込まないことから、アポトーシス細胞は貪食細胞にあるシグナルを提示し、貪食細胞は特異的受容体を用いてそのシグナルを認識していることが示唆される。本論文ではアポトーシス細胞を貪食細胞に繋ぐ因子を報告する。我々は分泌性の糖タンパク質である乳脂肪球EGF因子8(MFG-E8)がチオグリコレート侵出性マクロファージによって産生されることを見出した。MFG-E8はホスファチジルセリンのようなアミノリン脂質を認識することによってアポトーシス細胞に特異的に結合した。リン脂質が会合すると、MFG-E8は自身のRGD(アルギニン‐グリシン‐アスパラギン酸)モチーフを介して細胞に結合し、またそれはαvβ3インテグリンを発現している細胞に対しては特に強力に結合した。高レベルのαvβ3インテグリンを発現させたNIH3T3形質転換体はMFG-E8を添加するとアポトーシス細胞を飲み込むことが明らかになった。RGDモチーフに点突然変異を持つMFG-E8は優性ネガティブ体として振る舞い、in vitro及びin vivoにおける腹腔マクロファージの貪食作用を阻害した。これらの結果は、活性化マクロファージから分泌されたMFG-E8がアポトーシス細胞に結合し、それらの飲み込みのためにアポトーシス細胞を貪食細胞に導くことを示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る