Letter 宇宙:原始惑星系円盤における硫化鉄微粒子の確認 2002年5月9日 Nature 417, 6885 doi: 10.1038/417148a 若い天体(young stellar object-YSO)を取り巻く低温で高密度の分子雲中には硫黄がほとんど見られない。このことは、硫黄の大半が固体微粒子中に存在している可能性の高いことを示している。硫化鉄微粒子は、彗星のダスト粒子に含まれる主要な硫黄化合物であるが、宇宙の天体中に硫化鉄が存在することを示す直接的な証拠は得られていない。硫黄は宇宙に豊富に存在する元素であるため、このような証拠が得られないことは大きな問題となっている。本論文では、始原的隕石に由来する硫化鉄微粒子と惑星間ダスト中の磁硫鉄鉱([Fe,Ni]1-xS)の赤外スペクトルを実験室で得た結果について報告する。いずれのスペクトルも約23.5マイクロメートルを中心とする幅の広い硫化鉄の特徴を示している。これと似た幅広のスペクトルの特徴は、YSOの赤外スペクトルにも見られ、このことは硫化鉄微粒子がYSOを取り巻くダストの重要な構成要素であることを初めて示している。この特徴は以前、酸化鉄のものであるとされていた。衛星によって観測されたスペクトルの線強度は、ガス相の硫黄が非常に少ないこと、そして我々の銀河における硫黄/珪素の平均存在比と一般に合致している。よって従来発見できなかった硫黄が、ここに発見されたと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る