Article 遺伝:モデル放線菌であるStreptomyces coelicolor A3(2)の全ゲノム塩基配列 2002年5月9日 Nature 417, 6885 doi: 10.1038/417141a Streptomyces coelicolorは、ヒト用医薬品や動物薬として使用されている天然抗生物質の大半を産生する土壌糸状菌群の代表種である。本論文では、この生物の8,667,507塩基対からなる線状染色体について報告する。この染色体に含まれる遺伝子の数は、細菌としてはこれまでで最大となっている。推定される遺伝子数は7,825個で、この中には既知もしくは推定上の二次代謝産物をコードする20を超えるクラスターが含まれている。このゲノムに含まれる調節遺伝子の比率はこれまでで最も高く、その多くは外部刺激やストレスへの応答に関与している可能性が高い。また、重複した遺伝子のセットも多く、これらは、細菌に固有のコロニー形成過程の様々な段階で作動する「組織特異的」アイソフォームである可能性がある。この細菌染色体の中央部にある「コア」領域と、病原体である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)やジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の染色体全体の間に、古くからの遺伝子構成の相同性があることが明らかになった。今回明らかになったゲノム塩基配列は、土壌細菌の理解を大きく進めるだけでなく、遺伝子操作による新薬候補の創出の手助けにもなるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る