Letter 医学:ミノサイクリンはシトクロムcの放出を阻害し、マウスの筋萎縮性側索硬化症の進行を遅らせる 2002年5月2日 Nature 417, 6884 doi: 10.1038/417074a ミノサイクリンは、神経変性疾患モデルで神経保護作用を仲介する。カスパーゼ‐1、カスパーゼ‐3、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)が働くのを阻害する。ミノサイクリンはこれらの酵素を直接阻害するわけではないが、これらの酵素の二次的活性化につながる上流の経路を阻害することが、このような阻害作用に結びつくのかもしれない。前述の酵素類は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に重要なかかわりをもつので、ALSマウスでミノサイクリンの効果を調べた。ここでは、ミノサイクリンがALSマウスの発症を遅らせ、生存期間を伸ばすことを報告する。ミノサイクリンの幅広い効果を考えると、その作用機構の解明は非常に重要である。われわれはミノサイクリンが、ミトコンドリアの透過性変化によるシトクロムcの遊離を阻害することを明らかにした。ミノサイクリンによるシトクロムc遊離の阻害は、生体内でも細胞でも、単離したミトコンドリアでも見られた。ミノサイクリンの作用機構の解明は、より強力で効果的な誘導体の開発や試験に役立つだろう。ミノサイクリンには安全性の実績があり、血液脳関門を通過できることから、ALSの新しい治療法になる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る