Letter 免疫:RANKLはc-Fos依存的にインターフェロンβを誘導することによって骨のホメオスタシスを維持する 2002年4月18日 Nature 416, 6882 doi: 10.1038/416744a 破骨細胞は骨基質を侵食する単球/マクロファージ由来の細胞である。その分化の制御は、骨粗鬆症などの骨疾患の病因を理解し、治療する上で重要である。Tnfsf11としても知られるRANKL(NF-κB活性化受容体リガンドあるいは破骨細胞分化因子)によるシグナル伝達は破骨細胞の分化誘導に必須であり、それ故、骨のホメオスタシスを維持するために厳格な調節が必要である。しかし、RANKLによる細胞内部へのシグナル伝達がどのような調節機構に繋がっているかは不明である。本論文では、 RANKLが破骨細胞の前駆細胞でインターフェロンβ(IFN-β)遺伝子を誘導することを示し、そしてIFN-βが、RANKLによって誘導される破骨細胞形成に必須の転写因子であるc-Fosの発現を抑制することによって、破骨細胞への分化を阻害することを明らかにする。このIFN-β遺伝子の誘導機構はウイルスによる誘導機構とは異なり、c-Fos自身に依存的である。このように、RANKLによって誘導されるc-Fosがそれ自身に対する阻害因子を誘導する、という自己調節機構が解明された。この調節機構が骨のホメオスタシスにおいて重要であることは、IFN-βシグナル伝達に欠陥があるマウスが破骨細胞形成の亢進を伴う骨粗鬆症(骨量の減少)を示すという知見によって強調される。一連の発見はIFN-β系に対する新しい概念を提唱するものであり、骨疾患の治療における分子的基盤を提供することにもなるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る