Letter

進化:キンカチョウでは父母間の利害の対立が子の適応度を低下させる

Nature 416, 6882 doi: 10.1038/416733a

子育てには高いコストがかかることが多い。したがって、有性生殖し、父母の両方が子育てをする二親養育型の動物種では、子に注ぐ投資をめぐる父母間の利害の対立が起こりうる。こうした対立が起こるのは、それぞれの養育個体が、子に注ぐ投資を差し控えて、別の配偶相手と使うためにそれを振り向けることで利益を得ようとするからである。両親の利害の対立により一方の親が子を世話する量が減少すれば、配偶相手にそのしわ寄せが来ることになる。そこで我々は実験を行い、片親のみが子育てする場合の親からの投資量は、配偶相手と一緒に子育てをする場合よりも大きい可能性がある、とする説が予測する事態を検証した。親あたりの子の数が一定、つまり負担することになる仕事量が一定に保たれた場合、子が受け取る親からの投資量は子1個体あたりにして、一緒に子育てする二親双方からよりも、単独で子育てする母親からのほうが大きいことがわかった。また、母親のみに育てられた雄は、二親に育てられた兄弟に比べて、成鳥になってからの異性を惹きつける力が勝っていた。母子家族と二親家族に見られるこの違いは、雄の怠惰やヒナの餌ねだり行動の差によるのではなく、雄と一緒に子育てすると雌が子を世話する量が減ってしまうことによる。これは、二親による子育てでは父母間の利害の対立が養育した子の質を低下させうるとする意見を裏づけるものだ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度