Letter 気候:観測値と複数の気候モデルの組合せにより放射強制および将来の気候変動の範囲を限定する 2002年4月18日 Nature 416, 6882 doi: 10.1038/416719a 地球温暖化における不確実性の評価は、専門家の判断に基づくことが多いが、これは気候変動におけるいくつかの重要な変数の定量化が不十分なためである。とくに、大気中の温室効果ガス濃度の変化の気候への影響とエーロゾルによる放射強制効果が十分には絞り込まれておらず、そのため地球温暖化のシミュレーションには大きな不確実性が存在する。本論文では、複雑さを減らした気候モデルを用いたモンテカルロ法によって得られた確率論的気候予測を示す。入力されたパラメータの不確実性およびモデルそれ自体の不確実性が考慮に入れられ、また海洋および大気の温度上昇についての過去の観測値が現実的なモデルの応答範囲を絞り込むのに用いられている。その結果、今日の全放射強制についての一つの確率密度関数(95%の信頼区間で1.4〜2.4Wm-2)が得られ、全球平均の間接的なエーロゾル効果は0〜-1.2W m-2の範囲に狭められる。2つの排出シナリオ例について行ったアンサンブルシミュレーションでは、全球平均の表面温度が「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が予測した範囲を40パーセントの確率で上回ることになるが、温暖化がこの範囲を下回る確率は5パーセントに過ぎないことが示されている。 Full Text PDF 目次へ戻る