Letter 生化学:多様性志向合成と低分子マイクロアレイを用いたグルコースシグナル伝達経路の解析 2002年4月11日 Nature 416, 6881 doi: 10.1038/416653a タンパク質の機能を変化させる低分子化合物は、生物学的ネットワークを時間的に分解・調節する手段になる。ここでは、このような化合物を同定するための一般性があって規模の拡大も可能な手法を、転写因子Gln3pとNil1pを抑制するUre2pというタンパク質に応用した実例を報告する。多様性志向合成で作った低分子化合物の高密度マイクロアレイを蛍光標識したUre2pをプローブとして調べることによって、3,780件のタンパク質結合アッセイを並行して行い、Ure2pに結合する化合物を数個同定した。その内の1つでウレツパミンと命名された化合物は、Ure2p下流のグルコース感受性転写経路を特異的に活性化する。全ゲノムの転写プロファイルの解析と化合物による発現抑止実験から、ウレツパミンはUre2pに対する特異性が非常に高いこと、Ure2p下流のグルコース感受性遺伝子群を調節する作用があることが明らかになった。今回の結果は、目的のタンパク質に結合する低分子化合物の同定に多様性志向合成と低分子マイクロアレイが利用できることと、このような低分子化合物にタンパク質の特定の機能を調節する作用があることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る