Letter 気候:生態系を用いて弱い気候シグナルを引き出す 2002年4月11日 Nature 416, 6881 doi: 10.1038/416629a 生態系の複雑さは、外部からの変化に対して微妙でカオス的な応答を引き起こすことがある。生態系は必ずしも通常カオス的に振る舞っているわけではないが、相関性の弱い外部要因に影響されやすく、このことが気候シグナルの増幅につながることがある。例えばエルニーニョ指数とジンバブエにおける降雨量およびトウモロコシ収穫量との間には、それぞれ強い相関があることが示されていた。トウモロコシの収穫量との相関は、降雨量との相関よりも強かった。第2の例は氷期の10万年サイクルで、太陽放射の弱いサイクルが大気のCO2濃度に影響することによって発生したのかもしれない。このような弱い気候シグナルを組み込んだ現実の理論体系は、まだ示されていない。本稿では、1つの気候現象(英国周辺のプランクトン個体数とメキシコ湾流の位置との関連性)を手がかりとして、精密な海洋生態系モデルを使えば、さまざまな気象学的変数にまたがる弱いシグナルを抽出できることを示す。したがって生物学的な諸系は、影響力の大きい気象学的変数を支配する気候シグナル以外の気候シグナルに応答しているのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る