Letter 生態:全地球気候変動シナリオの下でメキシコ動物相の将来を予測 2002年4月11日 Nature 416, 6881 doi: 10.1038/416626a 地球全体の気候は急速に変化しつつあり、そこには予想外の影響が伴っている。生物多様性の諸要素は、生息分布域を制限するうえで重要な推進力となる気候に対して緊密に応答するため、生息分布域の移動や生物多様性の減少が予測される。単一生物種もしくは生態系全体に注目したモデル化研究がなされ、動物相レベルでの影響を予備的に調査した例も少数あり、また、数種の生物について気候変動が関与する生息域移動の証拠も得られているが、それでもなお、生物種の分布域に及ぼすと見込まれる気候変動の影響については、ほとんどわかっておらず、動物相レベルまたは生物群集レベルの影響に至っては研究がほとんど進んでいない。今回、遺伝的アルゴリズムと博物館の標本存在数データを使って、メキシコに見られる1,870種を対象にした生態ニッチモデルを開発し、これらの種を、モデル化で得られた2055年の2通りの気候の地表面に投影した。絶滅や大規模な生息域減少は相対的にごく少ないと予測されたが、一部の局所的群集では種の入れ替えが高い(種数の40%を超える)と予測されることから、重大な生態系の乱れが起こる可能性が示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る