Letter 物性:高Tc超伝導体の擬ギャップ状態における時間反転対称性の自発的崩壊 2002年4月11日 Nature 416, 6881 doi: 10.1038/416610a 「対称性」の変化は、物質が相転移を起こすときにしばしば観測される。その場合、対称性は自発的に崩壊すると言われる。ドープ不足の高転移温度(高Tc)超伝導体の転移は異常で、他の超伝導体でみられる平均場(mean-field)転移ではない。むしろ、相図には、超伝導転移温度Tc(位相コヒーレンスと超伝導が始まる温度)より上だが、電子励起スペクトルに「擬ギャップ」が現れる特性温度T★より下の領域がある。このため、T★がTcでの超伝導を確立する秩序変数の揺らぎに起因するクロスオーバー温度に過ぎないのか、あるいは、対称性が自発的に崩壊したときに相転移を示すのかを確定することは重要である。今回、擬ギャップ状態にある材料に対して、左円偏光の光子が右円偏光の光子とは異なる光電流を引き起こすことを報告する。これは、時間反転対称性がT★より下で自発的に崩壊すること、よってそれが相転移に相当することを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る