Letter 生理:カルモジュリンはMLOタンパク質と相互作用することでオオムギのうどんこ病に対する防御調節に関わっている 2002年3月28日 Nature 416, 6879 doi: 10.1038/416447a 植物では、特定の病原体分離株に対する防御応答は、それぞれの系統に特異的な抵抗性遺伝子の存在によって引き起こすことができる。一方、より広域の病原体に対する抵抗性は、劣性で、おそらく調節機能を喪失した突然変異によって作り出せる。オオムギのmlo突然変異は後者の例である。この突然変異は、農業でうどんこ病菌(graminis f. sp. hordei;Bgh)の蔓延を防止するのに使われて、成功を収めてきた。MLOタンパク質は細胞膜に存在していて7つの膜貫通ドメインをもつ。このことは菌類や動物の7回膜貫通型受容体を連想させるが、MLOは植物に固有で多様な配列を持つ遺伝子ファミリーの原型である。動物の7回膜貫通型タンパク質はGタンパク質共役型受容体として知られており、3つの主要な遺伝子ファミリーが存在するが、配列に類似性がないため、分子レベルでの収斂進化の例と考えられている。MLOタンパク質の機能はヘテロ三量体Gタンパク質とは関係がないものと考えられる。今回、in vitroでCa2+に依存したカルモジュリンとの相互作用に関わるMLOのドメインを同定した。カルモジュリンとの結合機能が失われると、MLOのうどんこ病に対する防御機能を負に調節する働きが、in vivoで半減した。MLOタンパク質は防御反応調節のセンサーとして働いていると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る