Letter 発生:RacGTP加水分解酵素は神経軸索の伸長、誘導、分岐を制御する 2002年3月28日 Nature 416, 6879 doi: 10.1038/416442a 神経軸索の伸長、誘導、分岐は、すべて神経系の正しい回路形成に必須な過程である。Rhoファミリーに属するGTP加水分解酵素は細胞外信号を伝達してアクチン細胞骨格を制御する。特に、Racタンパク質は軸索の伸長と誘導に関わるとされてきた。今回、ショウジョウバエのキノコ体神経における3つのRacGTP加水分解酵素の機能喪失による表現型を解析した。Rac1タンパク質, Rac2タンパク質、Mtlタンパク質による複合活性を斬減していくと、まず軸索の分岐、続いて誘導、最後に伸長に障害が生じる。Pakタンパク質に結合できないRac1の機能領域変異タンパク質を発現させると、Rac欠失神経の伸長を回復させ、誘導を部分的に回復させるものの、分岐の異常は回復できない。モザイク解析によってRacGTP加水分解酵素には細胞自律的な機能と細胞非自律的な機能の両方が存在することが明らかになり、後者は、軸索の誘導及び分岐における顕著な集団効果により明白である。これらの結果は、生体内における軸索分化の多角的側面において、RacGTP加水分解酵素の中心的な役割を示しており、軸索の伸長、誘導、分岐はRac信号伝達系の差次的な活性化によって制御されうることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る