Letter 物理:単分子磁石の超分子二量体における交換バイアスをもつ量子トンネル効果 2002年3月28日 Nature 416, 6879 doi: 10.1038/416406a 現在と未来の磁石の特殊な応用には、単分散系の小さい磁気粒子が必要である。ナノ規模の磁石として機能できる分子の発見は、この点で重要な進展だった。こうした分子は単一磁区の磁気粒子として機能し、ブロッキング温度以下では、巨視的な磁石の古典的な特性である磁化ヒステリシスを示す。このような「単分子磁石」(SMM)は、古典的なふるまいと量子力学的なふるまいの界面にまたがっている。なぜならば、磁化の量子トンネル効果と量子位相干渉も示すからだ。磁化の量子トンネル現象は、量子計算に必要な状態の量子的な重ね合わせをもたらすといった、SMMの応用として考えられるもののいくつかにとって都合がよい。しかしながら、情報損失につながる情報記憶のような他の応用面では不利である。したがって、SMMの量子特性を理解し、制御することが大切になる。今回、我々は、ある超分子SMM二量体について報告する。この二量体では、2つの成分間の反強磁性的結合が、個々のSMMとは違う量子的なふるまいを引き起こしている。我々の実験的な観測結果と理論的な分析から、SMMでの磁化の量子トンネル現象を調節する1つの手段が示される。この系はまた、メゾスコピックな反強磁性体に関連する量子トンネルの研究にも役立つだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る