Letter 物理:一次元の単原子の金属連鎖における強磁性 2002年3月21日 Nature 416, 6878 doi: 10.1038/416301a エピタキシャルの超薄膜や超格子といった二次元系は、バルクな物質とは異なる磁気特性を示す。磁性の研究についての現在の困難な目標は、さらに低い次元の構造を探ることだ。物理系の次元が減少するにつれて、ゆらぎの重要度が相対的に上がるので、磁気秩序は低下する傾向がある。スピン‐格子モデルでは、短距離の磁気相互作用を伴う無限の一次元線形連鎖は、異なる方位の磁性を帯びた部分に自発的に分割されて、有限温度での長距離の強磁性秩序を妨げると予測されている。しかしながら、これらのモデルは、平衡へ到達する際の運動障壁や、一次元のナノ構造を支える基板との相互作用などを考慮していない。今回、我々は、プラチナ(Pt)の基板上に構築されたコバルト(Co)の一次元の単原子連鎖について、短距離と長距離の強磁性秩序の存在を明らかにした。我々は、強磁性的に結合した原子の熱的にゆらいでいる部分からなる単原子連鎖が、閾温度以下では、異方性障壁が存在するため、強磁性の長距離秩序状態へと進化する証拠を発見した。コバルトの連鎖は、二次元の薄膜とバルクなコバルトに比べると、大きな局所的な軌道モーメントと、それに応じた大きな異方性の磁気エネルギーによって特徴づけられている。 Full Text PDF 目次へ戻る