Review Article 遺伝:タンパク質生合成に際したコドン認識についてのトランスオリエンテーション仮説 2002年3月21日 Nature 416, 6878 doi: 10.1038/416281a 遺伝コード解読過程では、メッセンジャーRNAのコドン1個が対応するアミノアシル転移(t)RNAと対になり、このtRNAの運ぶアミノ酸が付加されてタンパク質の鎖が伸長する。本稿では、遺伝情報の翻訳過程のうちコード解読段階を分子レベルで説明する機構として、「トランスオリエンテーション仮説」を提案する。このモデルは、新たに見つかったtRNA結合部位を取り入れたもので、2つのtRNAアンチコドンループ構造、つまりアンチコドンが5′側にあるコンホメーションと3′側にあるコンホメーションの切り換えを利用する。アンチコドンループは三次元でちょうつがいとして働き、比較的固定されたコドン−アンチコドン対の周囲でのtRNAの回転が可能になる。この回転は、GTP加水分解にかかわるポリペプチド鎖伸長因子Tuがコンホメーション変化することで駆動され、入ってきたtRNAを、最初の結合と解読に関与するD部位からA部位へと回転移動させる。A部位では、校正や収容がなされうる。ここで提案した機構は、GTP状態とGDP状態の双方における、リボソームおよびtRNAやEF-Tuといったその構成成分の既知の構造やコンホメーション、機能と整合性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る